正雪の紹介
正 雪?
秋には黄金色に染まる米どころ、冬には雪に閉ざされる寒冷な気候、そんな所が酒蔵にふさわしい風景のように思いがちです。しかし一年を通して温暖な気候の静岡にも三十数件の酒蔵があります。そして静岡は地酒ファン必涎の蔵が多い事でも知られています。そんな静岡のほぼ中央、東海道の十七番目の宿場町今なお古い町並みを残す由比町に正雪の蔵元、神沢川酒造場はあります。
北に富士山を背にし、南に駿河湾を望む由比町は、小倉百人一首の中に山部赤人が｢田子の浦ゆうち出でてみれば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける｣と詠われた地と言われる所で古くから東西の交通の要所として栄えた町です。この古い歴史を持つ由比町は、駿河湾でしか捕れない桜えびの産地として水産加工業の盛んな町でもあります。田圃もなく温暖な気候のこの地で創業者望月金蔵、由松父子が清酒醸造を始めたのは大正元年、酒蔵としては若い歴史の中で目指して来たのは酒質の向上でした。この想いは今も受け継がれています。
ベテラン杜氏『山影純悦』と蔵人達、そしてその技を引き継ごうとしている若い蔵人、彼らが五感を駆使し気候や優良な酒造好適米、静岡酵母HD-１を始めとする酵母と語るように甘、辛、苦、渋、酸の五つの味と上品で爽やかな香を調和させ、何杯飲んでも飽きない酒を目標に醸造にあたっています。こうして生まれる酒も日々その姿を変えていきます。より良い状態で飲んでいただける為の生詰瓶燗や低温貯蔵は常務望月正明をはじめとする従業員一同が手間を惜しまず一丸となってあたっています。米の不作に悩んだ１５仕込みもまもなく終盤を迎えます。仕込みから管理出荷まで気配りは絶えませんが、お客様の笑顔が見られればこんなに嬉しいことはありません。今年も良い酒が仕上がっています、是非ご賞味下さい。
神沢川酒造場の紹介
